サンサンじめ

You

2007年09月11日 23:38

お久しぶり~
随分サボっていたので、いい加減記憶も薄れかけているけれども、薄ぼんやりとした記憶を頼りにまた少しずつ紹介したいと思う。

まずは、実に不味そうな写真をみていただこう。一応〆サバである。そして釣ったその日にサバ折りにして持ち帰ったサバなので、(多分)鮮度については折り紙つきである。そんな訳で、〆サバといっても本当に軽く締めただけの「サンサンじめ」にしてみた。
写真が不味そうなのは、ひとえに作り手側の技量とセンスによるもので、決して〆サバになってもらったサバには一切の罪がないことをまずもってご報告しておきたい^^;

サンサンじめとは、文字通り塩で30分、酢で30分という一般的な〆サバより極めて短時間で締めたものだ。ゆえに鮮度に大きく左右されるので、釣り人の特権的サバ調理法とも言える。
三枚におろしたサバに雪を降らせるがごとく、全体が真っ白になるくらいの塩を満遍なく振る。そのまま30分。サバに振った塩は、雪解けのごとく溶けて、サバから水分が出てくる。
これをさっと水洗いして、そのまま昆布を一枚入れた酢に入れる。ここからまた30分。ちなみに塩締めの間も、酢締めの間も冷蔵庫に入れておく。
そうして酢から取り出したら、薄皮をはぐ。しかし酢で締めている時間が短時間なせいで、この薄皮をはぐという作業が、とても難しい。サンサンじめという志は良かったが、技量がついてこない(笑) まぁそれは置いておいて、腹骨をすき取ったら、適当な厚さで平造りに切ればよい。ただ〆サバの場合、一度浅く切れ目を切れて、次の包丁目で切る「八重造り」なる切り方がいいらしい。写真をよく見ていただくと分かると思うが、一つ一つの切り身に切れ目が入っている。こうすることで醤油との馴染みが良くなるということである。

ちなみに写真のサバの身が白っぽいのは、決して酢で締め過ぎたせいではなく、サバ折りして持ち帰った成果である。卸してみて驚いたが、締めて血抜きし持ち帰ったサバは、一般的な赤身魚のイメージを吹き飛ばすほどに身が白い。本当に驚いた。
サンサンじめは、程よく塩味が染みて、表面にさっと酢が回る程度で、身の中心はほとんど生に近い。それゆえ、ほとんど刺身の感覚である。まだ生の身から染み出る脂が口の中に広がり、これぞサバ(それも生の刺身感覚の)と思わせるものだった。もちろんこれを食べたとて、アタることもなく、ピンピンしている(笑) やはり鮮度がものを言うのだろう。釣ったらサバ折りにしてサンサンじめ、是非お試しいただきたい

それにしても、なぜこんな皿に盛り付けたのかだけが悔やまれる。やはり頭から尾まできれいに一列に並べてこそ、〆サバの風格というもの。もっと細長い皿を選択すべきだった。更に手入れしていないことがミエミエの包丁で切った結果、身もボロボロ。釣られてくれたサバには、申し訳ないことをした。
酢で締めた魚を切るのは、生の身より難しいことを知った。次回は、切る前にちゃんと包丁を研いでおこう~。。。
この料理の評価(満点:星5つ)
★★★★
味は文句ないんだけど、見た目がナァ~ とほほ・・・
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