サバの塩焼き&船場汁
釣っては外道なサバだが、食べる分には美味しくて大好きである。ことに8月より9月に入ってより脂乗りも良くなり、丸々としたサバだったので、まずはシンプルに塩焼きにしてみた。
焼くのに失敗して、グリルから取り出すときに少々皮がはがれてしまったので、見てくれは少々悪くなってしまったが、焼けるにつれてジンワリと出てくる脂が食欲をそそる。30cm以上のサバなら、3枚に卸した片身を一人前として、身の厚いところに数本飾り包丁を入れたら、両面にさっと塩を振り、焼くだけである。焼きたてにカボスをちょっと絞って、添えた大根おろしとともに食べたら、脂乗りもちょうど良く、添えたおろしのおかげもあるかもしれないがしつこすぎず、旨みたっぷりのサバが堪能できた。
残ったアラは、折角なので船場汁にした。頭や中骨、カマは適当な大きさに切り、強めの塩を振りかけて、30分ほど置いておく。前にも書いたような気がするけど、個人的には背びれや尾びれは入れない。何となく臭みの素になりそうな気がするからである。
塩をしておいたアラには、全体に熱湯を振り替けて霜降りにし、すぐに流水で塩を洗い流しながら、残ったうろこなどを取る。今回サバは釣ってすぐに首を折って血抜きした効果なのか、ほとんど血合は残っていなかったように思う。いずれにしても熱湯をかけて放置しておいてはいけない。すぐに流水にとって、冷やすことが肝要である。
きれいにしたアラは、水を張った鍋に昆布(5~10cm角程度)とともに入れて、水から煮ていく。このときに薄く拍子切りにした大根も入れよう。この大根が、食べるときに素晴らしく美味しくなる。途中沸騰する直前に火を弱め、煮立たせないようにする。昆布は浮いてきたら取り出して、出てきたアクはなるべく丁寧にすくう。沸騰させてしまうと折角のダシが濁るし、余分な臭みの原因ともなる。
弱火にして10分ほど煮たら、塩を入れて調味する。あまり塩を入れすぎず、上品にいきたいところだ。味を調えたら、そのままさらに数分煮る。大根が柔らかくなっているかを目安にすればよいと思う。
最後に大さじ1~2程度の酒とほんの少々(本当に香り付け程度)の醤油を入れて、一煮立ちで火を止める。
食べるときにネギのみじん切りをぱらりと振りかけるとなお美味しい。さらにちょっぴり七味唐辛子を振ると、よりいっそう香りも良くなり、サバで作ったとは到底思えない上品な椀物になる。カマの部分が、トロトロになって、口の中でとろけるのが最高だった~
サバの塩焼きと船場汁、何とも上品で豊かな休日の昼食をいただいた
この料理の評価(満点:星5つ)
★★★★★
シンプル・イズ・ベストかな~(笑)
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